私達は普段の生活で、様々な物を購入していますよね。
食品、衣類、娯楽品とその種類は千差万別です。
また、たとえ同じような品であったとしてもその値段には結構な幅があると思います。
最近の100円ショップは侮れませんが、どうしても安かろう悪かろうという感覚があり、長く使いたいと思うモノは多少高くてもちゃんとしたところで買いたいと思ったりします(100円ショップが悪いわけじゃないですよ!!)
モノを売る側からみたら、より高い品が売れたほうがもちろん嬉しいです。でも「多少高くても」というのは人それぞれの感覚なので、購入者にその商品を魅力的にみせて価値を感じてもらう必要があります。
ちょっと値が張るんだけど、それを忘れてしまうくらい魅了しちゃう方法を解説します。
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日常生活でモノを購入するシチュエーション、例えばスーパーで買い物をしているときのことを思い出してみてください。
普段行くスーパーとは違うお店に行ったとしても、そこで売られているものの値段はそんなに変わりませんよね。「この商品だったらこれくらいでしょ」という基準をそれぞれが持っているので、その基準内であれば何も気にせず購入するはずです。
しかし、世の中に売られているモノはスーパーの商品みたいにわかり易いものばかりじゃないですね。
特に目に見えないような「サービス」に対しては、適正価格がわかりづらい、もしくはわからないものが多いと思います。そのサービスが高額だった場合、納得できるような理由がないと購入することはまずないです。
なぜ高いのか?適正なのか?見合ったリターンは得られるのか?しっかりと伝えてあげないと、売ることは出来ません。
私達が普段どうやって価値を判断しているかご存知でしょうか?
その品が高額であったとしても、価値を見出し購入するのはどのようなケースなのでしょうか?
実は私達、価値を判断する際に何か異なるものと比較しているのです。
これは同じカテゴリに限った話ではなく、他のカテゴリのものでも良く、他には過去の経験、毎月の給料などから相対的に判定しています。
私のようなサラリーマンの月収では躊躇するような買い物であっても、巨万の富を築いている大富豪からしたら缶コーヒーくらいの感覚かもしれません。これも自身の収入と比較して、「高い」「安い」をジャッジしているのです。
シンプルに高いというだけではなく、価格どうしの比率で感じ方が変わってきます。
分かりやすいのが車や住宅を購入するシーンです。
それ自体で既にものスゴい金額になっていると思うので、このような場面ではオプションなどで数万円の追加費用が発生したとしてもそんなに気にならないと思います。
金額だけ見ると数万円というのは決して安くは有りませんが、既に数百万〜数千万の世界にいると割合で安く感じてしまうのです。
逆に、先週まで100円で売られていた白菜が今日見たら200円になっていたとします。
価格差としてはたった100円なのですが、高くなった!!と思っちゃいますよね。
これが比率のマジックです。
前述したとおり、人は何かしらと比較することで高い・安いを判断しています。
この判断基準をうまく提示してあげないと、先ほどの白菜のように高い!!と認識せてしまい購入するに至りません。
しかし、この判断基準も闇雲に提示すれば良いといえばそうじゃないのです。
冒頭でも記載しましたが価値の感じ方は人それぞれなので、魅力的に思っていない人を相手にするととても苦労します。最初から感覚が近い人、つまりは値打ちを理解して興味を持っている人を対象にした方がすんなりと受け入れてくれると思います。
商品を売りたいがために押し付けるような提示の仕方はNGです。
興味を持っていたとしても、嫌気が差して逃げていってしまいます。
ではどうしたら良いかというと、商品を購入する道筋を立ててあげるのが最適解になります。
つまりは、購入者自身にその商品自体の価値に気がついてもらい、買いたいという気持ちになることが大事なのです。
購入する側も売る側も、双方納得の上進める事ができるのでWin-Winですね。
ではどうやって伝えたら良いのか、解説したいと思います。
価格の伝え方と第しておきながらこれは伝える前の話です(笑)
いきなり最初に伝えてしまうと、「え、たけぇな…」とマイナスイメージから始まってしまう可能性があります。
その後にどれだけ値打ちがあるものなのか、その価値に見合った値段設定なのかを説明したとしても、第一印象を拭うのは難しいです。
むしろ価格は一番最後に、できれば言わずに済むのが1番良いです。
これはつまり、価格以外にメリットを見出してもらい、どんな金額であったとしても絶対に購入する、という状態ですね。
なかなかイメージしづらいと思いますが、病気になったときなどを想像すると分かりやすいかもしれません。
ものすごい高額な薬を使用しないと助からない病気にかかってしまったとしましょう。
その場合、この薬を服用すれば助かるのであればその額は問題視されず、どんなに高額であったとしても使用したいと思いますよね。
このようにして、価格を認識する前に買いたい・手に入れたいという気持ちにさせることが重要になってきます。
1番良いのは価格自体が問題にならないようにすることですが、流石にそう簡単にはいかないですね
ではどうやって高いと思わせないか、逆に安いと感じてもらうための手法を伝授します。
私達はモノの価値を判断するときに、何か他のモノと比較することで判断していると既にお伝えしました。
そのため、判断できる材料を提示してあげるのです。
例えば筋トレのDVDを売りたい場面を想定しましょう。このときに異なる筋トレ系のDVDを比較対象とするのではなく、より高額な商品やサービスを対象としてあげるます。ジムやパーソナルトレーナーなどが例ですね。
DVDとしては3500円くらいですが、ジムやトレーナーを活用しようとなるとかなりの金額かかかります。
入会金やら月謝やらで気がつくと年間で10万近くかかってしまうこともあり得ます。
かたや3500円、かたや10万円以上。このように比較されると、3500円はかなりお得に思えちゃうのです。
モノ・サービスには、松竹梅のように様々なグレードがあることが多いです。
このとき、高い方から示すことで後から示されたモノを一層安価に思わせることが出来ます。
これは心理学では「アンカリング」と呼ばれています。
アンカリング効果とは、最初に提示された数字や条件が基準となって、その後の判断が無意識に左右されてしまう、という心理。
皆さんも経験があると思いますが、「通常価格より50%オフ」みたいな表示を見たことがあると思います。
通常価格というのが最初に提示され、そこから50%オフというように提示することで50%オフの部分が印象に残ります。
もともと定価が1万円のものを見たときと、定価2万円の50%オフで1万円ではまるで印象が違うはずです。
これがアンカリングです。
「198円」や「980円」のようなきりが悪い値段表示を見たことないですか?
これは「端数効果」と呼ばれるもので、実はこれも心理学を使用したテクニックなのです。
500円と498円とで比較すると、たった2円の差しかありません。
売る側からすると2円損した結果ですが、逆に言うと購入する側から見ると2円得したことになるため、この得した分を他の商品の購入に充てようとするのです。その結果、2円の損を帳消しに出来るくらい利益を得る事ができるのです。
また、980円のように1000円という大台に乗っていないのも同じ端数効果になります。
980円だと1000円だしてお釣りが来ます。このお釣りが来るというのがポイントとなっていて、お得感を演出してくれているのです。
得体の知れない、それでいて高額なものというのは中々手を出しづらいものです。
その商品の持っている価値を正しく伝えることはもちろんですが、人間の心理を利用し安いと感じさせることがマーケティングのセオリーになります。
闇雲に価格を下げるのではなく、こうしたテクニックを使用してお互いに納得できる効果を得ましょう。
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