会社に勤めるならコミュニケーションは当たり前のもの。
誰とも関わらずに仕事するって、ほぼ不可能ですもんね。
上司から指示をもらったり、同僚と連絡を取り合ったりして、やっと一つの仕事が完結します。
でも、このコミュニケーションの密度や範囲が、時々わからなくなりませんか?
「昼休みもずっと同僚と過ごすのが正しいの?」
「サラリーマンなら飲み会参加は必須なの?」
「上司から叱られ続けることは自分のためなの?」
いや、違う!とあなたは思っているのに、「それが正しい!」と周りの人は言っているから、わからなくなってしまう。
人間関係にクタクタで会社を辞めたくなっているあなたに、ちょっと面白い言葉の使い方と、ちょっと気楽になれるサラリーマン達の勇気ある行動をご紹介したいと思います。
自分の心を開放する方法を探してみましょう!
Contents
自分に自信がなくなってしまうと、自分のすべての行動が悪い結果しか起こらないような気がしてきます。
まずはそれを解決していきましょう。
あ、もちろん、いきなり「ポジティブになろう!」なんてことは言いません。
簡単に切り替えられる方法があるなら、とっくに実践していますよね。
初めはあなたが今抱えているつらさと向き合い、自分を受け入れることから始めましょう。
仕事は好きなのに、人間関係でつまずいて会社を辞めたくなってしまっている。
そんな自分がとても嫌い。
でもそれは、あなたがきちんと仕事に出て稼いでいるという紛れもない事実です。
守らなければならない家族のため、ペットのため、もしくは自分自身の生活のために、今日も体を張って闘っているのですから。
今日もクタクタになりながら働いているあなたは、ダメな人間じゃありません!
誰かの目に止まっていじめられないように、怖い上司に怒られないように、できるだけ目立たないように過ごそうとしている自分が、積極性も自主性もない人間だと考えていたとしたら、それも違います。
あなたは毎日決まった時間に起きて、遅刻しないで通勤しています。
出勤したら、自分の仕事を考えて、それに取り掛かっているはずです。
きちんと自ら動いているのです。
「そんなの当たり前じゃん」と思うかもしれませんが、それができない人も多いんですよ。
できていないことを数えるのではなく、できていることを数えるようにしましょう。
特に敵がいるわけではないけれど、飲み会でワーッと賑やかに楽しむことが苦手だったり、昼休みは1人で過ごしたい人もいますよね。
無理して参加してみても、いつも1人でポツンとして楽しめない。
盛り上がっている笑い声に、自分の顔は凍りつくばかり。
「さびしいしか感じない」
いやいや、気にする必要はありません。
参加しているだけであなたはエライのです!
自由なはずのプライベートな時間を、コミュニケーションとやらのために、がんばっているじゃないですか。
楽しめなかったことで自分を責めるのではなく、「参加した自分はエライ!」と褒めてあげてくださいね。
これからお話しする2つの言葉は、劇団で働いていた友人に聞いた、ある舞台女優さんの役作りの方法と、
僧侶の小池龍之介さんの著書「考えない練習」
からご紹介します。
サラリーマンをしていると、あまり縁のない世界の人達ですが、だからこそ新鮮な言葉ばかりですよ。
その女優さんは、常に主役を演じている方でした。
ある時、その女優さんが、役づくりのために普段から無意識のうちにやっていることを話していたそうです。
「つらかったり悲しかったりした時、『ああ、つらいとか悲しいってこんな気持ちなんだ。覚えておかなくちゃ』って思っちゃうのよね」
女優さんにとっては、自分自身が生活の中で感じる気持ちは全て演技で活かすことができます。
だから、どんな気持ちを感じても、その気持ちを自分の演技の抽斗(ひきだし)に大切にしまっておくのです。
え?こんな気持ち覚えててどーすんの?!
どっちかっていうと忘れたいよね?
ええ、そうですね。
ネガティブな気持ちなんて、覚えていて役に立つのはカウンセラーや俳優さんだけかも。
でもね、この話にはとっても大切なヒントがあるんです。
この女優さんは自分が感じた心の痛みと、頭で考える自分のココロの痛みを切り離しているのです。
切り離すことで、自分自身にヨロイができます。
すると冷静さが戻ってきます。
「自分は何てダメな人間なんだろう」
「最低…… もう会社なんて辞めたい」
こんな風に徹底的に気持ちが落ちた時でも、
「ああ、自分は今こんな気持ちなんだ、覚えとこ」
と心の中で唱えてみてください。
少しだけ気分が変わりませんか?
もうかなり昔の話になりますが、小池龍之介さんの「考えない練習」を読みました。
日常で降りかかる様々な出来事に対して、嘘をつかずにやり過ごし、ありのまま受け入れるというココロの在り方について書かれている本です。
例えば、いきなりですが、あなたは道を歩いていて、蚊にさされました。
「かゆい!あー掻きすぎて血が出てきた!ムカつく!」
掻けば掻くほどブクッと腫れて気になるし、掻きすぎると痕が残るし、ほんと、イラっとしますよね。
でも、小池さん流に考えるとこうなります。
「ああ、蚊が僕の手を刺しました」
え?これだけ?かゆいとかムカつくとかないの?!
そう、ないんです。
自分に起きた事実だけを考える。
それが小池さんの考え方です。
とはいえ、お坊さんだって怒りや悲しみを感じることがあります。
だって、人間だもの。
今度はサラリーマンの私達の中で起こり得ることを考えながら、小池さん流のやり過ごし方を見てみましょう。
「同僚に仲間外れにされて寂しい」
「上司がしつこく叱ってきてどうしたらよいかわからない。逃げたい」
例えばこんな時、あなたの心の中は寂しさやつらさでいっぱいになるでしょう。
そんな時はココロの中でこんな風に唱えます。
「仲間外れにされて悲しいと、私は感じた」
「叱られてつらい、逃げたいと、私は感じた」
先ほどの女優さんと同じように、心と頭を切り離すことを、小池さんも話しています。
「でも、これで冷静になれたとしても、問題は解決しないよね?」と思ったあなた。
たしかに、自分の気持ちに整理がついても、仲間外れや上司のつらい仕打ちは、これだけではなくなりませんよね。
でもね、こう考えることによって、言わなくてもよい言葉を発してしまったり、取るべきではない行動(例えばいきなりの退職届を出すなど)を起こさずに済みます。
そして「自分が本当は何を求めているのか」「どうしたいと考えているのか」が見えてくることがあります。
そうなれば、自分の取るべき行動がわかって来て、未来が拓けてくるのです。
最後に、私が見て来た仲間や聞いた話をもとにして、実際にほんの少し勇気を出して自分の快適な環境を手に入れた3人のサラリーマン達のことを話してみたいと思います。
彼らから、ほんのちょっとずつ勇気をもらってくださいね!
その職場は、女性リーダーが中心で動いていました。
リーダーの側近は高校の同級生達。
サバサバとした雰囲気はありましたが、学生時代のノリなのか、お昼になると女性社員はみんな一緒にお昼ご飯を食べる習慣がありました。
とはいえ、会話の中心はいつもリーダーや側近達。
周りの女性社員はその会話に神経を使いながら参加するか、黙って食べることに徹するしかありませんでした。
そんな状況が苦痛だったHさん。
ある日、フロアチェンジがあったことをきっかけに、昼休みになっても自席でご飯を食べることにしました。
当然ひとりぼっちの昼食です。
他の女性社員達が少し離れたところで固まっている状況とを見比べると、まるでHさんがいじめになっているように見えました。
しかし!翌日から大きな変化が!
何と、仲良しグループのリーダー達とは違う他の女性社員達が、Hさんと同じように自席でお昼ご飯を食べ始めたのです。
実はみんなキュウクツだったってことですよね。
Hさんは海外旅行やスポーツクラブなどで自分の楽しむ世界もあり、仕事も優秀な社員で、とても自立した性格の人です。
だから「会社でひとりでもいいや」という気持ちでいたそうですが、結果的には他の女性社員の賛同を得ることになりました。
Tさんはお洒落な47歳の独身社員です。
お料理やプラモデルはプロ並みの腕前。
芸術にも造詣が深く、お酒にもこだわりを持つ、個性的な方です。
でも上司との折り合いは最悪。
まぁ、Tさんの仕事の成果がビミョーなので、それは当然といえば当然かもしれませんが。
しかし、あまり(というかほとんど)へこまないのがTさんの強みです。
そんなTさん、もちろん上司が参加する飲み会なんて絶対出ません。
プライベートな時間を奪われることに怒り心頭で、必ず欠席です。
ところがある時、立ち上げの頃からいる社員が辞めることになり、送別会が開かれることになりました。
Tさんの一番嫌いな上司が幹事でした。
「できれば全員参加してほしい」
上司はそのグループ内のメンバーに日時を伝えながら、そんなメッセージを書き添えました。
そのメッセージを見て、Tさんは……
参加しました
少し居心地が悪そうな顔をしながらも、しっかり乾杯からお開きになるまで、その場にとどまったのです。
嫌いな上司からの心からの呼び掛けに応じたTさん。
その後のリストラ騒ぎが発生した時にも、対象にされることはありませんでした。
ちなみに、その後のTさんの飲み会参加率は、相変わらず0%です。
Sさんがかつて働いていた会社の社長は、お金にだらしない人でした。
会社のお金を私用で使い、取引先に支払うお金がなくなると、Sさんがいないところで電話を掛け
「うちの事務員(Sさん)が手続きを間違えちゃったみたいで、支払いが遅れちゃうんだ。悪いね」
なんて嘘を平気で話していたそうです。
普段の生活態度もひどいものでした。
事務所の上が自宅なのに、なぜか事務所のトイレで用を足して便器がありえないくらい汚されていたこともあったそうです。
Sさんは昔ながらのお茶くみや掃除をやりながらの経理や資料作成などを一人でこなしていましたが、社長の横暴ぶりに我慢が限界になり、転職活動に踏み切りました。
Sさんが社長を良く思っていないことは、社長もすぐに気づきました。
すると今度は、Sさんを追い出そうと事務員を募集し始めたのです。
そして、すぐに次の事務員は決まりました。
簿記1級を持つ、46歳の男性でした。
転職活動を始めていたとはいえ、Sさんはすでに37歳。
簡単に次の仕事は見つかりません。
このままではクビになってしまう。
考えた末、Sさんは覚悟を決めて社長に頭を下げました。
自分が間違っていました
どうか会社にいさせてください
次の仕事が決まるまでは絶対につなぎとめる。
Sさんはその目的を達成するためにプライドを捨てました。
Sさんが折れたことで気分を良くしたのか、社長はSさんをクビにすることをやめました。
その代わりに以前よりSさんに威張り散らすようになってもSさんは我慢し、経理の仕事を新しい事務員に譲った後も、雑用や設計の仕事で何とか仕事をしていました。
やがてSさんは再就職先を見つけ、退職。
「送別会はやらないからね」と、最後まで社長に嫌味を言われたそうです。
数か月後。
Sさんが新しい会社で働き始めた時に、かつての職場の人から「会社潰れたよ」と連絡がありました。
どうやら新しい事務員の人が本当に手続きを間違え、2度の不渡りが出て倒産に追い込まれたのだそうです。
辞めてよかった、とSさんはしみじみ思ったそうです。
ミスチルの「終わりなき旅」に、こんな歌詞があります。
誰の真似もすんな 君は君でいい
生きる為のレシピなんてない ないさ
そうなのです。
あなたはあなたで良いのです!
そこまで自分を自由にできないよ、って思うかもしれませんが、まずはココロを自由にし、自分の居場所、大好きな場所を見つけてみましょう。
そこではこの歌詞のような「自分でいられる場所」があります。
そこから自由を広げてください。
そしてつらくなったら、自分でいられる場所に戻って元気を回復してくださいね。
大丈夫。
きっと最高のレシピができあがりますよ。
コメントフォーム